「恋次ちょっといいか?」
「何だよ、一護。」
「はっ!?校長室に潜入!?」
「ばっ!声でけぇって!!」
一護は恋次が大声で話したので、思わず、誰かに気付かれてないか辺りを見渡した。
「何でンなことになったんだよ?わざわざ、非常階段なんかに呼び出して。」
ここは3階の非常階段である。昼休み、パンを買い終わった恋次を一護は有無を言わさず、ここまで連れてきた。一護はもう一度、誰もいな
いことを確認して静かに話しだした。
「俺、昨日掃除の時、ゴミ捨てに行ったんだけど、その時校長室の前通って中覗いたら、見ちゃったんだよ…。」
「何を…?」
恋次は一護の真剣な顔に思わず、息をのんだ。
「…幻の…白髪染めを…。」
「…はっ!?」
恋次は思いがけない言葉に思考がいったん停止する。
「いやいやいや…一護…なんつった?」
「だから!幻の白髪染めだよ!……何だよ…その顔…。」
興奮する一護を恋次が胡散臭そうな目で見るため、一護の興奮は一瞬にして冷める。
「…幻の白髪染めって何それ…?」
「俺もルキアから聞いたんだけどよ、この学校には七不思議とかあるらしくて、それの一つらしいぜ。最初は俺も信じてなかったけど昨日本
物見ちまったから…。」
「七不思議…んなもんあったのか…で、それで?」
牛乳のパックにストローを差して飲み始める恋次、あまり信じてないようだ。
「調べに行こうぜ!今日の放課後!」
「二人でかよ!?」
「何やってんだおメェら。」
『うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!?????』
いきなり背後から声がして、驚く二人。恋次は危うく牛乳パックを落としそうになる。振り向くとそこにいたのは…
『一角さん!?』
「何やってんだこんなところで。」
一角はトレードマークの木刀を持ち、もう片手には売店で買ったのであろう昼ごはんの入った袋を持っていた。
「いい所に来た!!!」
そう言って一護は一角を座らせて、再び小声で話し出す。
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「…んで今日の放課後、確認しに行くと?」
「そうです!」
「いいぜ!ちょうど今日から部活、試験週間で休み入るしな!」
あっさりと賛成する一角。もともと、真面目に勉強をするより体を動かすのが好きな一角なため、この参加は一護が引き留めた時点で決ま
っていた。結局、恋次も参加し、放課後に3人で校長室に潜入することが決まった。