ロマネスク 第二話

 

 
パーティーはとても賑やかたった。
 
誰もが、リボーンに祝福の言葉を投げかけ、手の甲に口づけを落としていく。
贅沢な料理に、高い酒、高い服と装飾を施した人間だけが集まる世界だ。
 
「(つまらん・・・)」
 
リボーンは、来賓者たちに笑顔を見せつつ心の中で呟いた。隣には綱吉がいるので、渋々我慢しているのだ。
すると、腐れ縁の姿が視界に入った。
同じ年の彼は学校にいっていない。内戦の多い地域で生まれ育ち、己と同じ10歳とう異例の若さで、軍の指揮官に任命されたはずだ。
確かに彼に招待状は出したが、彼はこんなところに来るタイプではなかったはずだ。
首をかしげていると、理由は直ぐにわかった。
 
「ツナ!」
 
腐れ縁が、こちらに向かって駆けてきた。いや、正確には俺の斜め後ろに、だ。
リボーンの眉間に皺が寄りかけるが、目の前の初老の男が自分に話し続けていたので未遂に終わる。
この大きな家を継いだとはいっても、まだ自分は子供であり、下手を打って舐められるようなことはあってはならない。
それが幾ら格下であっても、だ。
 
そんな事を思っている間にも、腐れ縁であるコロネロは綱吉に駆け寄り、話をしている。いつの間にそんなに仲良くなったんだ!リボーンは内心穏やかではない。
 
「久しぶりだなコラ!」
「久しぶりコロネロ。パーティーに出るなんて珍しいね」
 
そう言って二人はハグをしている。
リボーンはそれを視界の端に捕らえると、目の前の男に適当に話を合わせておわらせ、コロネロに向き合った。
 
 
「久しぶりだなコロネロ。主催者より先に執事があいさつとはどういうことだ?ツナ・・」「…申し訳ございません、リボーン様」
「おい、ツナは悪くないぜコラ! 俺が話しかけたんだからな!」
 
コロネロが綱吉を庇うのが気に入らなかった。
 
「…もういいツナ、お前は下がれ。」
 
リボーンは、綱吉を下げると、コロネロを睨みつけた。
 
「ツナとどういう知り合いだ。」
 
一番気に入らなかったのはこれだ。綱吉とコロネロが顔見知りだったからではなく、それを自分が知らなかったことが気に入らないのだ。
そのことにコロネロは気づいていた。
 
「誰が教えるか。それにしても、何でお前そんなにツナに厳しいんだコラ。」
 
そう、リボーンは、綱吉に優しい言葉を一切かけない。しかし、いつも自分の傍から離そうともしない。
コロネロは、それが不満でならなかった。
 
「好きなくせに」
 
コロネロは、一層睨みを利かせて言った。
するとリボーンは、急に冷めた目をして、その場を去った。
 
「あいつがそれを望むんだ。」
 
そう一言残して・・。