日付が変わる瞬間に眠るお前にそっと呟く。
「誕生日おめでとう」
俺の望みなんてその位だ。
お前が言うからおれはマフィアになったよ。
お前が望むから俺は立派な椅子に座り、
お前のために、手を血で染めました。
お前が右を向くと右を見て、左をむくと左を見る俺が
お前をまっすぐ見てもお前が俺を見ることはないけれど、
俺はお前が愛しくてたまらない事をしっていてくれれば満足なんです。
10月12日 朝
俺はお前が入れろと言っても今日から3日お前に仕事を入れなかったが、
やはりお前は他の仕事を入れてしまった。
おれの誕生日を祝ってくれなんていわない(そりゃぁ祝ってもらいたけどね!)
でも、どうか俺にもお前がこの世に生まれた事を祝わせて下さい。
そして叶うことなら、その時だけは黒い塊なんて手放して、俺と手をつないでいてよ・・・
お前のいる前でそう思うのが俺に出来る精一杯の意思表示で・・・
ぐるぐると頭の中はお前のことばかりだよリボーン
時計の針はもうすぐ起床時間を指そうとしている。
ドアの前には隼人がスタンバイしているんだろうな。
起きなくてはならない。
リボーンが起してくれないかな・・・。
10月12日 昼
仕事に行ったリボーンが俺を起しに来る筈もなく
いつも通りに仕事が始まり、
いつも通りに昼食の時間になるが、おれは食欲がなくて仕事を進める。
調子は上々、いつもより仕事のペースが速いのが自分でもわかった。
彼は今仕事、俺も仕事
彼の仕事はいつ終わるか知らないけれど、俺の依頼は16日から
彼はいつ帰ってくるのだろう?
今日? 明日? 明後日?
明日もし帰ってこなかったら、お前は誰に誕生日を祝ってもらうの?
知らない女?
それならずっといい。
でもお願いだから、さみしい誕生日は過ごさないでください。
気づけば今日の仕事は粗方片付いて、
手持無沙汰にケータイを眺めた。
10月12日 夕方
明日の仕事もだいぶ片付いて、今日の仕事は終わり。
同盟ファミリーとの夕食会のために車で移動中だ。
俺の誕生日も近いこともあって、豪華な食事がさらに豪華になるのが目に見えて
おもわずウンザリするのはしかなないだろう。
しかし残念ながら今日は酒を飲む気にはなれない。
そんな事を考えていると、すぐに目的地に着いた。
隣の右腕が先に降りてドアを開けるまでの数秒に少し考えて、
車から降りたおれは小さなケーキを帰りに包んでもらうように言う。
きっと此処のケーキは美味しい。
今日は仕事が捗るだけでなく直感も冴えているようだ。
10月12日 夜
日付が変わる前に終わって良かった。
食事会も終わって、車に戻ると右腕がドアを開ける。
俺が乗ると車は他に誰も乗せることなく発進した。
専属の運転手が乗っていなかったことは言うまでも無い。
きっと慌てているだろう獄寺に、『心配ないよ』とだけメールした。
終止無言の運転手になんと言ったら良いのだろう。
このままでいいよね。
俺もならってなにも言わなかった。
ラジオだけが流れている。
もうすぐ12時を回る。
車は海岸で止まった。
言わせてくれるんだろ?
お前はしっかり起きてるけど
ラジオが時報に差し替わる。
ピッ ピッ ピッ
あと1秒・・
綱吉は顔を綻ばせ、口を開いた。
10月13日 深夜
「誕生日おめでとう」
呟くと運転手がやっとこっちを向いた。
よく見ると助手席には箱に入ったワインがシートベルトで固定されている。
きちんと被った帽子を脱げば、その男は見知ったヒットマンになった。
End
遅れてごめんなさいりぼーん!
おめでとう!
今年もツナをよろしくね!