⑨
何であいつが知ってるんだ?!
レストランから出ると綱吉は足早に屋敷に、そして自室へと戻った。
一刻も早くあの場から立ち去りたかったのだ。
リボーンの5歳の誕生日に、リボーンの両親を殺した。
その真実から逃れようとしたことはない。
今なお、罪悪感に蝕まれて
心の中で苦しんでいる。
思い出すのはリボーンの顔。
どうして!
そう叫ばれて、しかし俺を拒絶しようとしない小さな腕。
ごめんなさい。
そう言えたらどんなに楽だったか…!
リボーン、可愛そうなリボーン…
両親を俺に殺された可哀そうなリボーン…
それが、俺のせいじゃないなんて言ってはいけないんだ…!
綱吉は自分の指をゆっくりと胸にあて、
自分が殺した人を思い出し
爪を立てて線を引いた。
薄く流れる血の筋を見て、
『ごめんなさい』と心の中で呟いた。
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