ガシャーン!
と、窓の割れる音がして綱吉はふっと顔を上げ、微笑んだ。
「いらっしゃいコロネロ」
今日はいつもより仕事のペースがはやい。
リボーンは綱吉を見ながら首をかしげる。
何かいいことでもあったかと思うが心当たりはなく、きっと超直感で何か感じ取ったんだろう。
仕事が終わるならまあ良いかと、考えるのをやめた。
その矢先にこれだ。
コロネロがアポもなしにファルコで飛んできた。
リボーンは来客用のソファーに二人で向かい合って話している二人を見ていらいらした。
表面上は仕事の話や、最近のマフィアランドの様子。そのほか他愛もない話をしている。
楽しそうに笑う綱吉を後目にリボーンは今自分の有能さを恨んだ。
(読心術なんて碌なものじゃない…!!)
綱吉はボンゴレ…いや、マフィア界のアイドルである。
彼を狙う者は多く、リボーンもその一人であった。
というか、リボーンは綱吉がマフィアになる前から教育し、自分好みの相手に育てる
『紫の上☆計画』
を実行・完成間際だったのだ。
(ちなみに紫の上とは、光源氏がさらってきて自分好みに育てた後、正妻に迎えた女性だ。)
それを横からかっさらって行ったのが、純情ツンデレ☆ボーイコロネロで鷹のように綱吉を奪っていったのである。
しかも、その原因を作ってしまったのがリボーン自身なため、リボーンはさらにムカついた。
『紫の上☆計画』の最終段階を行う場所としてマフィアランドを選んだのがそもそもの間違いだったのだ!
リボーンはクッと涙をのんだ。
話を戻そう。
リボーンは泣きそうだ。
何の拷問何だこれは!!!
リボーンには得意の読心術により二人の心が丸見えであった。
「(コロネロ・・かっこいい・・・w)」
「(ツナ…今日こそは!!)」
二人が話し始めて1時間弱。綱吉のコロネロに対する美辞麗句や、コロネロの自分では口に出せない願望が全て見えて、ついにリボーンは切れた。
「ツナ!!!さっきから馬鹿の一つ覚え見たいに格好良い格好良いって…・そいつなんかより俺のほうが100万倍格好良いだろうが!! テメェもだコロネロ!!ツナで不埒な妄想なんかしやがって!今日こそはって何だー?!!ツナに何するつもりだこの野郎!!!」
今まで全く眼中になかったリボーン(何気にひどい)がいきなり叫びだして二人は吃驚して顔を見合わせ、一テンポ遅れて顔を真っ赤にした。
あれ?リボーンは自分の失態にきづく。
「つ、綱吉・・格好良いって俺の事かコラ?///」
「う…うん///コロネロは…いっつも格好良いよ!///」
何だこのゲロ甘な空気は!!!
ヘタレと、天然のため、普段は相手に言えない事をリボーンはついうっかり代弁してしまったのだ!
「コロネロ…きょ…今日こそはって…?///」
はっ!リボーンは綱吉の発言によって顔を青ざめる。
よりにもよってヘタレンジャー☆コロネロに綱吉と×××に持ち込むチャンスを?!
くそッ!俺だって寝てる綱吉にべろちゅーまでなのに!!(*犯罪です)
「そ、それは…///」
ヤバい!コロネロの事だから一度踏み越えたらとまらねぇ!
「それは…??///」
止めなくては!
「おい!コロ・・」
「きょ・・今日こそは…一緒に手をつないでデ…デートするぜ///コラッ!!!!!!!!」
「う、嬉しい!コロネロ~ww」
セーフ!!!
思わずリボーンは腕を振り上げたがそれはアウトだ!
しかし、そんなことよりも・・・
手もまだつないで無かったのか・・コロネロ・・・
流石のリボーンもホロリとくる。
「じゃぁ行こうかw」
そのためリボーンは、綱吉が真赤なかおのコロネロに手を伸ばすのを思わず見送った。
「(あのヘタレには何もできないだろう…)」
心は読めても未来は読めないリボーンには、今から酒によって狼になったコロネロに綱吉がぺろりと頂かれる未来なんて知る由もなかった。
合掌
あとがき
リボーンが気持ち悪くてすいませんorz
寝てる間にとかちょっ!おまっ!!って感じでもう・・・後でちゃんと言って聞かせときますね☆(お前だよ)
でもきっとファーストキスとかじゃありません。
ツナ君のファーストはきっと家光パパです!(笑)
セカンドは幼稚園の時に武とかだと思いますw
てかコロネロがヘタレで…あのなんかすいません…ちょっと窓から飛び降りてきます!
2008 5 27 ちよ