××マーク

 

「ふっ…はっ…あぐっ…。」
 
「修兵さん、余裕なさそう。」
 
「ばぁか…。」
 
下で腰を動かす恋次を見下ろしながら、俺は恋次のつくるリズムにいっぱいいっぱいでついていく。
 
「あっ…ひぐっ!」
 
急に恋次がもっと奥をついてくる。俺は驚いて、一際、でかい声をあげる。
 
「どうしたンすか?余裕なさそうっスよ。」
 
「ふっ…ぐ…ふぁっ…!!ばか…やろ…れんじ…。」
 
「褒め言葉っすよ?」
 
恋次は腰を動かしながら、俺の首筋に唇を近付ける。
 
!?…アト…つけん…なぁ !うぁっ!!」
 
恋次がキツク吸い上げた上、もう一度、大きく腰を動かして奥の方へ打ち付けるため、俺はもう話す余裕がなくなった。
 
「うぐ…ふあ!…あっ…もっれん…!!」
 
恋次の背中に爪をたてて、絶頂が近いことを知らせる。
 
「はっ!イキたいんすか?」
 
俺は必死で頷く。もう言葉で伝える余裕なんて一つも残ってない。
 
「ははっ…俺も…一緒にイこ?」
 
恋次もどうやら絶頂が近いらしく、腰の動くスピードをあげる。俺は必死で意識を繋ぎ止めようと、必死で恋次にしがみつく。
 
「ふあ…あ…はぁっ…れん…じぃ…。」
 
「好きだ…っ修っ兵…。」
 
恋次も息が乱れ始める。スピードがより一層速くなる。
 
「ふぁぁ…もっ…ダメ!……うっ…あぁぁぁ!!」
 
「っ……!!」
 
二人、ほぼ同時に絶頂を迎えた。
 
 
 
「…はぁっ…。」
 
大きく息を吸い込みながらどうにか呼吸を整えようとする。
 
「恋次…アトつけんなって言ったじゃねぇか…。」
 
恋次がつけたアトを手で触れながら悪態をつく。
 
「だって、今日の修兵…なんか可愛かったし。」
 
そう言われて俺は傍にあったティッシュボックスを掴み、恋次の方へ投げる。
 
「いたっ!!」
 
「馬鹿なこと言ってんじゃねぇよ!!」
 
赤くなりながらそう叫び、俺は風呂場へ向かった。
 
 
 
「…恋次!起きろ!!」
 
アラームを設定し忘れたらしく、起きるともう勤務時間ギリギリの時間だった。
 
「へっ!?」
 
恋次が涎をたらしながら起き上る。
 
「早く着換えろ!」
 
…だから俺は覚えていなかった、昨夜、恋次につけられたアノ事を。
 
 
 
「お疲れ様です。」
 
「お疲れ。」
 
「…あっ…!」
 
「何?」
 
「いえ…何でも…。」
 
なぜか、今日はこういう会話が多い。その上、何度もこっちを見てくる。
 
「…何なんだ…。」
 
疑問に思いながら、廊下を歩く。
 
「お、吉良!」
 
部屋から出てきた吉良に声をかける。吉良はこっちを向いて一礼し、こっちの方へ近付いてきた。
 
「檜佐木先輩、どうしたんですか?」
 
「あぁ、ちょっとこっちのほうに用があって。」
 
「そうですか、そういえば乱菊さんがまた飲もうと言っていましたよ。」
 
吉良が苦笑しながら言う。
 
「わかった。俺の方から乱菊さんに言ってみるよ。」
 
俺もつられて苦笑してしまう。乱菊さんと飲むのはすごく嬉しいが、お酒の量が半端ないのだ。それを思うとどうしても苦笑してしまう。
 
「…。」
 
気づくと吉良の顔に笑みがなくなっている。
 
「…吉良どうかしたのか?」
 
俺が一言かけると、ハッと我にかえり、「何でもないです。」と焦ったように言って、仕事があるからと去っていった。吉良の奇妙な行動も気に
 
なったが、その後、突然やってきた書類の山に埋もれて忘れてしまった。
 
 
 
「修兵ぇ、入るわよー!」
 
返事もする間もなく、九番隊隊舎のドアを開ける。
 
「乱菊さん!!」
 
仕事中という言葉は彼女には通じない。乱菊さんはずかずかと入ってきた。
 
「ちょっと、修兵!飲み、や・る・わ・よ!」
 
「今日ですか!?」
 
「もちろん!あ、吉良は呼んでおいたから!恋次はあんたが連れてくるのよ!」
 
しゃがみこむような体勢で言うもんだから、俺の目線の先にはちょうど乱菊さんのこぼれ落ちそうな胸がある。
 
「いい!?」
 
「は…はい。」
 
少々、圧倒されつつ、俺はうなづいた。すると乱菊さんはふと目線を少しずらす。
 
「…ちょっと修兵…。」
 
乱菊さんの顔がいきなり、近づく。
 
「ららら乱菊さん!?」
 
すると乱菊さんは俺の死魄装を掴み、ひっぱる。
 
「ちょっと修兵!のろけてるの!?」
 
「はい!?」
 
乱菊さんがにやにやしながら指をさす。
 
「そ・こ。ついてるわよ。」
 
首筋を差しながら楽しそうにこちらを見ている。俺は乱菊さんが差しているところへゆっくり、手で触れてみる…。
 
!?」
 
その時、俺はそこに何があったのか、どうして皆が一瞬固まるのか、すべての謎が解けた。
 
「いやぁねぇ。お熱いこと。」
 
乱菊さんがニヤニヤしながら口元に手をあてて俺を見る。俺は恥ずかしくなって、乱菊さんに礼を言い、仕事をほったらかして九番隊隊舎を
 
とび出した。向かう先はもちろん、六番隊隊舎だ。
 
 
 
「恋次――――――!!!!!!」
 
「修兵さん!?」
 
ノックも何もなしに、俺は扉を勢いよく開け、ズカズカと部屋へ入る。恋次は突然の訪問に驚いて体が止まっている。
 
「どどどうしたんすか!?」
 
「馬鹿野郎!!!お前…き…き…。」
 
「き…?」
 
「キスマークとかつけてんじゃねぇよ…。」
 
恋次の死魄装を掴み、必死で恥ずかしさを隠す。だが、そんな俺の心情とは裏腹に顔は赤くほてっていくのがわかる。
 
「あ~…。」
 
恋次は俺の首筋を見て、苦笑の笑みを浮かべる。
 
「どうしてくれんだ!!」
 
恋次の体を揺さぶりながら必死に訴える。恋次はそんな俺の背中に手を回す。
 
「えーと、とりあえず、抱きしめていいっすか?」
 
「…は?」
 
「とりあえず抱き締めさせてください。対処はその後、考えますんで。」
 
そう言って、にこっと笑いながら俺を抱きしめる。
 
「はっ!?なんっ!?」
 
俺はわけがわからず、なすがままだ。恋次が腕の力を緩める。解放してもらえるかと思ったら…
 
「言ったでしょ、修兵さん、あんたが可愛いからだって。」
 
恋次はそう言って今度は俺にキスをしてきた。その時、俺には明日、隊員に謝り、乱菊さんに文句を言われるようなそんな想像が容易にで
 
きた…。
 
 
 
とりあえず、恋次とのアレはしばらくおあずけにしてやろうと思う。
 
 
 
 
 
 
 
*あとがき*
…なんだこれ…。いや、あれですよ?!ただ単に…エロが書きたかったとかそんなわけじゃ…ないですよ…?(笑)まさか…そんな…。ほんとに…。ボソボソ…(笑)もしかしたら…いつか修正とか行うかも…?です…。

                                                           2008.5.16                                     萌絵