「せんぱ~い、まだっすか?」
「うるせぇ、あと少しって言ってんだろ。」
「さっきからそればっかじゃないですか。」
先輩の所属する九番隊は俺にとっては地獄のようなところだと思う。普通の死神の仕事から瀞霊挺通信という人気雑誌の編集までもを行っ
ている。噂によれば、この護廷十三隊の中で四番隊の次に忙しい隊らしい。なんでそんな処に入ったのかはよくわかんねぇけど、それまで
もをちゃんとこなすこの人はスゴイって思う。そんな俺は、書類一つ書くのに朽木隊長からグチグチ言われなきゃできねぇ。今日もやっと仕
事を終えてこの部屋へきたばかりだ。
先輩の隊舎にきて早2時間。俺は来てからずっと先輩の背中を見つめている。キレイな姿勢で腕だけを動かしながら書類を書いている先輩
は、俺の存在なんか感じてないんじゃないか、と思うくらいだ。そんな先輩を見つめながら俺は、腰細ぇなぁ、とか、色白ぇなぁ、とかあまつさ
え、あそこをこう触ったら感じるんだろうなぁ、とか、首筋舐めてぇなぁ、とか思いながら先輩が仕事を終わらせるのを待っていた。しかし、先
輩の仕事は一向に終わりそうにない。
「先輩。」
「うぉっ!?」
俺は立ち上がって覗きこんだ。すると先輩は変な声を出して俺を見る。
「俺、先に帰ってますね。それ、終わったら伝令機に連絡ください。」
そう言って返事も聞かずに出ていく。
分かり切っていたいたことだけど、あんだけほったらかしにされたら少し考えてしまう。俺より仕事のほうが大切なのか…とか。そう考えるの
が馬鹿らしいと思い、外に出る。夜風が気持よかった。
歩き始めて30分後―――いつもより心なしかゆっくり歩いていたため、自分の家までまだ距離があった、その時、俺の胸元にある伝令機が
音を立てて鳴った。
「…はい。」
「…終わった。」
「はい?」
「だから終わったって言ってんだろ!!」
「…なんでこんなに早いんすか。」
相手はもちろんさっき別れた先輩。俺が覗きこんだときはまだ仕事が結構残ってたはずなのに…。
「…たから。」
「はい?」
「お前がずっと見てたから…。」
息が止まるかと思った。まさか、ずっと見ていたことを気付かれてるとは思わなくて。
「…迎えに…来てくんねぇのかよ…。」
「…今から行ったらあんた家帰れねぇかもよ?」
「…かまわねぇよ…。だから…」
だから早く来い。
俺は伝令機を握りしめたまま走りだした。あの人の待つ隊舎まで。早く行ってあの人を抱きしめるために。あの人の死装束を脱がして、あの
人に触れるために――――。
あとがき
読んでくださってありがとうございます!こちらが本当のパロ以外の初小説!(とか言ってみる。笑)そんな書いた感想とかはないんですが…このネタ考えている時、周りでは先生が万有引力について話していました。(笑)←授業中☆