沢田綱吉 通称ツナ。表向きはただの大学生・・・
ただ少し他の人と違うのは、彼は地球防衛隊ボンゴレの10代目ボスだったのです。
第1話 秘密
時は今、場所は並盛、天気の良い昼下がり。地球防衛隊ボンゴレで警報機が鳴り響いた。
「十代目!!大変です!奴らが現れました!!!」
「なんだって?!! 場所はどこ!?」
「並盛ショッピングセンター前です! お召替えを!!」
「わかった!」
ボンゴレの仕事は、地球防衛隊と銘打っているものの数年前までは主にボランティアや世界平和を目的とした自衛防衛の組織だった。
しかし数年前、このボンゴレに喧嘩を売る者たちが現れた。
それがアルコバレーノである。
* * * * * * * *
「オイ!パシリ!!ツナはまだ来ないのかコラ!!」
「ちょ、俺に聞かないで下さいよ!ツナだって色々と忙しいんじゃないですか?」
「忙しいって何だコラ!正義の味方がそれでいいのか!・・今日も俺が鍛えなおしてやるぜ!!!!」
アルコバレーノは構成員5名の組織であるが、活動は5人全員で行うと言う訳ではない。それぞれの計画にあった人物がその現場に向かう無駄のない組織である。と言うか、見た目、スキル共に最上級だが性格破綻者ばかりの協調性皆無組織である。
ちなみに今日の計画は ブルー、パープル、そして後から合流予定のイエローが行うことになっている。
彼らはショッピングセンターの前である男を待っていた。ボンゴレ10代目沢田綱吉である。
「おいおい、今日ツナ来ないんじゃねーのか?俺もう帰るぜ?」
「・・・・リボー先輩いつ来たんですか?!!そして来てすぐ帰るなんて言わないでくださいよ!!」
「何だパシリ、いっちょまえに俺様に意見か?」
「おいおい、困ったパシリちゃんだぜコラ!一遍殴らせろ!」
「ひぃぃい!!」
と、パープルの脳裏に走馬灯が走ったとき、彼はやってきた。今日のコスチュームは黒いスーツに黒いマント、そして黒いシルクハットに白い仮面である。
「そこまでだアルコバレーノ!! 今日こそ退治してやる!!」
説明しよう!ボンゴレ十代目は大学生とボンゴレの二重生活の心の平安を守るべく、いつも右腕特製のコスチュームで正体を隠して戦っているのだ!!そして今日の格好は・・
「「「(((タキ●ード仮面!!!)))」」」
「(中々そそるじゃねぇか・・)」
「(に、似合ってるぜコラ!!)」
「(コスチューム担当GJ!!)」
ぞくっ
「お、お前ら!!また何か変なこと考えてるだろう! そうはさせないぞ!並盛の平和は俺が守る!!」
と、三人の前に綱吉は飛び降りた
「俺達幻の○水晶は持っていないぜ?」
「うるさーーーーい!俺だってこんな格好 したくてやってるわけじゃないよ!ただ前回の仮面ラ●ダーよりはましだろ?!」
「あぁ、あれお前だったのか?どっかの変態かと思ったぞ。」
「嘘つけーー!完璧に気づいてたじゃないか!!」
「何だ、すねてるのか?可愛い奴め!」
「ちっがーーーーーう!!なんて話が通じないんだ!大体今日の目的は何なんだ?!ここの15階で今日俺の学校の写真サークルの展示会やってんだからおとなしくしてろよ!!」
「よし15階だ行くぞ!ブルー!パシリ!!!」
「任せろコラ!!」
「パシリじゃなーーい!!」
「ま、まてお前ら!!!!!!」
* * * * * * * *
雲雀恭弥。彼は並盛の支配者であり、並盛の恐怖である。
「はぁ、はぁ・・・ちょ、お前ら・・エレベーターとか・・卑怯だぞ!!!」
「情けねぇなぁコラ! 階段ダッシュごときで息上げてんじゃねぇぜ!!」
「フン、いい感じに乱れててなかなかそそるぞ?」
「やめろ変態!!」
15階までエレベーターで上ってきたアルコバレーノ達を階段ダッシュで追いかけてきた綱吉であるが、タキシード着用での猛ダッシュと、アルコバレーノ達とのかみ合わない会話にストレスは溜まり、場所も忘れて叫びだした。しかし忘れてはいけなかったのだ。この会場は、並盛大学の展示会会場だったことを・・・。
「なに群れてるの?噛み殺すよ。」
「ひ、ひばりさん?!!」
綱吉はこの男が苦手であった。理由は簡単、ただ怖いからである。群れてる時の暴力は・・百歩譲って諦めるとしても、何故か気に入られていた綱吉は目が合うたび・・いや、雲雀の視界に入るたびに愛用の仕込みトンファーで殴られてきたのだった。しかも中学の時から彼は常に先輩として学校に在籍し、何故か高校・大学まで同じ。さらに常に最高学年に在籍するという芸当を彼はやってのけているのである。
「チャオッス、雲雀。久しぶりだな」
「・・・赤ん坊・・何で君がここにいるんだい?」
雲雀とリボーンは、リボーンがヒットマンをしていた頃、クロスカウンターを交わした仲である。
「え?!雲雀さんアルコバレーノと知り合いなんですか?!!」
そう、ツナは超直感が鋭いくせにアルコバレーノと自分の兄弟が同一人物だと全く気付いてないが、はたから見れば一目瞭然である。
「?何言ってるんだい?この子たちは・・」
「「「わーーーーーー!!!!!」」」
「だめだ雲雀!!」
「やめろコラ!」
「やめてくださいぃ!!」
必死に懇願する三人に向かってひばりはいい笑顔をうかべた。
「・・・へぇ・・そう言う事か。じゃぁ、君が僕と本気で戦ってくれるなら黙っててあげるよ。・・どうする?」
「いいぞ。おれも最近実践から遠ざかってるからな。」
二人は黒い笑みをかわしたまま戦闘開始。先ほどまで雲雀によって警備されていた15階フロアは、今度はその雲雀達によって跡形もなく消える運命である。
* * * * * * *
・・・二時間後
二人は笑顔で良い汗を流しているが、周りの被害が尋常ではない。壁のない一面から見える夕日を見ながら綱吉は先ほどから現実逃避をしている。
「・・・・ていうかさぁ・・・お前ら何しに来たんだよ!ほんといっつもいっっつも俺達の邪魔して・・そんなに俺が嫌いなの?!!」
そして逆切れである。幻覚か否か定かではないが、綱吉の額に炎がともった。
普段大人しい人ほど怒ると怖い・・ツナはまさにそれを代弁していた。切れたツナは怖い・・むしろ鬼神と言うべきか、王と言うべきか・・・。
その姿を見た者は思わず頭を垂れ、その微笑みをみた者は心を奪われ、殴られたものは思わずマゾヒズムを開眼させてしまうのだ!
「つ、ツナコラ!お、落ち着け!!」
「そうです落ち着いてくださいボンゴレ!!」
ニコッ
「はっ!!」「うぅ・・」
バタッ×2(←落ちた)
綱吉は超直感を無意識に使って、微笑みで敵を倒すがこれが本当に計算でないかどうかは怖くて本人に聞くことができない。
「お前達は大人しく寝ていろ・・おい!お前らもだ!!!」
ドガッ!
綱吉は拳に炎を集め、鈍い音をさせ二人をぶっ飛ばした。
そして拳が当たる直前に見た少し期待に満ちた二人の瞳のことなんて、俺は見てないと言い聞かせた。
だって知らないほうが幸せなこともあるもん☆
ブー ブー ブー ・・・
「あ、電話・・ ハイ、あ、ラル?・・・うん。あ、本当だ!もうこんな時間!え?買い物??うん、牛乳?わかった!じゃあ今から帰るね!」
こうして地球防衛組織ボンゴレの今日の任務は終わった。
綱吉は門限までに帰れるかなー?と考えながら現場を放置して帰路に就いた。
* * * * * * * *
「ただいまー!」
「「おかえりー!」」
ボンゴレ本部に一度戻り家へ帰ったので少し急いだが、無事に牛乳を買って門限までに家に帰ることができた。遅れると5人で寄ってたかってうるさいのだ。
しかし、今日は返事が2つしか聞こえない。
珍しい事態に綱吉は首をかしげた。
「ラル、マーモン、他のみんなは?」
もちろん綱吉がぶっ飛ばして放置してきたのだから帰っている訳がない。しかし、それを言う訳にもいかずにマーモンは適当に嘘を言うことにした。
「ム・・リボーンとコロネロは女を引っかけに行って、スカルは漫喫でオタ友と一晩語り明かすみたいだよ?(大ウソ)」
「あぁ、そうだ。ちゃんと連絡は受けているから心配するな。」
仲間であり、ライバルである3人の評価をちゃっかり落とすことを忘れないあたり、二人とも中々良い性格をしている。
綱吉は、一番年下であるマーモンを可愛がっているし、唯一の女の子であるラルももちろん可愛がっている。特に一番年上でしっかり者のラルをとても信用しているので、多少無理があることを言っても信じてしまうのだ。
「へぇ、あいつ等もやっぱりお年頃だしなぁ・・彼女ができたらちゃんと連れて来いって言っとかなくちゃな!」
「そうだね。」
「明日にでも伝えると良い。」
食卓に笑い声が響いた。
綱吉は一見和やかな会話の中、二人の眼が妖しく光った事を知らない。
彼らがアルコバレーノであることも、その目的も知らない。
~~~ あとがきという名の謝罪 ~~~
初めて小説(?)というものを書いたので、文章・構成・表現ともにおかしな所が多々あると思いますが
読んでくださり有り難うございましたw
誤字・脱字ございましたら、拍手で指摘していただけると嬉しいです。
また、感想を頂けるとのた打ち回って喜びます。
一応予定ではこの話続きます(笑)
ここまで読んでくださった方に感謝★です!